災害対策

大雨に注意!換気扇の水漏れ(雨漏り)5つの原因と対策方法

換気扇からポタポタと水漏れが・・・、それは換気扇の雨漏りかもしれません。

換気扇の水漏れ(雨漏り)は、壁内の骨組みを腐らせたり、シロアリを発生させたり、漏電によって火災に及ぶなど、被害が大ごとになる危険性をはらんでいます。

気がついたら、早め早めに対処することが大切です。戸建ての住宅だけではなく、アパートやマンションでも起こり得ることです。

ここでは換気扇から水漏れ(雨漏り)が起こる5つの原因と、その対策方法について詳しく解説していきます。

外と直通してる!換気扇の種類と構造を知ろう

冬の寒い日、換気扇の近くに立っていたら、冷たい外気が流れ込んできてブルブル震えた経験はありませんか?

換気扇は外とダイレクトに繋がっています。雨や風の浸入を防ぐフードが排気口に設置されていたり、シャッターが付いていたりしますが、残念ながらどれも密閉度は高くありません。

経年劣化によって換気扇の機能が弱まり、水漏れや雨漏りにつながることはよくあることなのです。換気扇には主に次の2タイプの種類があります。

プロペラファン…雨漏りしやすい

プロペラファンは一般的によく見かけるタイプの換気扇です。外壁に換気口を取り、そこから外側に向かって排気するプロペラが設置される構造。

シンプルな造りなので施工やメンテナンスがしやすいことや、費用が抑えられることがメリットです。

しかし、ファンのすぐ向こう側は室外であり、風雨の浸入を防ぐシャッターも完全に吹き込みを抑えられるほど強力ではありませんので、風雨が強い日には雨水が吹き込んできて雨漏りが発生しやすいという特徴があります。

特に、経年劣化によってモーターが弱まっているプロペラファンは注意が必要です。

シロッコファン…雨漏りしにくいor雨漏りしても分かりにくい

近年換気扇の主流になっているのがシロッコファンで、よくレンジフード内部に取り付けられています。空気を送り出す力が強く、排気口の面積が小さいため、外の雨風の影響を受けにくい構造とされています。もちろん、雨漏りの危険性もプロペラファンに比べて少ないです。

しかし、給気口と排気口との間に距離があるため、排気口から雨が侵入してても分かりづらいという欠点もあります。

レンジフードの他にも、天井に吸気口があるトイレ・浴室の換気扇にシロッコファンが使われています。

換気扇の水漏れ(雨漏り)5つの原因をチェック!

換気扇の水漏れ(雨漏り)にはさまざまな原因が考えられます。ここでは一般的によくありがちな原因をご紹介します。

1.コーキングの経年劣化

換気扇の排気口の取り付け工事では、雨水の侵入を防ぐために、壁と換気扇との隙間にコーキングが施されます。コーキングは経年劣化によって、だんだんとヒビ割れが出てきたり、剥がれたり隙間ができたりすることがあります。

劣化したコーキング部分から雨水が内部へと浸入し、換気扇の雨漏りにつながるケースはとても多いです。排気口から水が入り込むだけなら良いですが、壁の内側に染み込み、内部の腐れやサビ、シロアリなどの原因にもなるので注意が必要です。

2.外壁がヒビ割れしている

家の外壁にヒビが入っている光景は、よく目にするのではないでしょうか?

家の外壁は経年劣化はもちろんのこと、さまざまなダメージによって傷ついていきます。コーキングの劣化と原理は同じで、排気口周辺の外壁のヒビ割れから雨水が浸入し、換気扇のダクトを伝わり雨漏りが起こることもあります。

築年数が経過した家ほど、このヒビ割れが起こる可能性は高くなります。換気扇周りのヒビ割れは小さくてもあなどれません。早め早めに修理することが大切です。

3.換気扇のフードが付いてない

換気扇の外壁側である排気口部分には、雨の侵入を防ぐために、換気扇の開口部を覆うように換気扇フードが取り付けられています。古い住宅の場合は、フードが付いてないこともありますが、新築の家でも雨漏りが起こっている場合、フードが取り付けられていない可能性があります。

フードがないと雨を防ぐことが出来ないので、換気した空気の排出口から雨が入り込んで、雨漏りにつながることがあります。

4.換気扇のフードの劣化

前述した排気口のフードは、特に樹脂製のものは年数が経つと劣化して割れてくることがあります。シャッター付きの換気扇の場合は、フードがなくても雨の侵入を防ぐことが出来ますが、シャッターが付いてない場合は、フードが劣化することで雨漏りに直結しやすいです。

特に、古いプロペラファンの換気扇の場合、フードの割れで雨漏りしやすいので注意が必要です。

5.強風による影響

シャッター付きの換気扇は、電源オフ時にはシャッターが閉まり、外からの雨風を防ぐ仕組みになっています。しかし、台風などの強風で煽られてシャッターが開いてしまい、雨風が吹き込んでくることがあります。

また、古い住宅の場合は、トイレや洗面所などは小型のプロペラファンの換気扇であり、シャッター機能が付いてないタイプも多いです。プロペラファンは排気力が弱く、フードが排気口を十分に覆えてない形状になっており、強風の影響で雨風が吹き込みやすいです。

自力でも可能?換気扇の水漏れ(雨漏り)の対策方法

コーキングの打ち直し

コーキングの経年劣化が原因で換気扇から雨漏りする場合は、コーキングの打ち直しによって水漏れ問題を解消できます。

応急処置的なコーキング施工であれば、既存のコーキングの上にコーキング剤を上塗りする形での「増し打ち」でも良いでしょう。しかし、根本的な対策にはならず、短期間でコーキングが取れてしまい、雨漏りが再発する可能性が高いです。

根本的な対策のためには、古いコーキングを除去して、新たなコーキングを打ち替えていく作業が必要です。

コーキングの打ち直しは自力で行うことも可能です。古いコーキングをカッター等で綺麗に剥がし、そこに「プライマー」と呼ばれる下塗り塗料を塗りコーキングを打ち直します。「プライマー」はホームセンター等で手に入ります。

ただし、「均一に塗る」などの技術が求められることや、2階以上の場合は危険が伴う作業となるため、できる限りプロに任せることをオススメします。

外壁を補修する

外壁のヒビ割れが原因による換気扇の雨漏りへの対策は、外壁を補修することです。

とりあえず応急処置だけを行いたい場合は、防水テープを使う方法があります。外壁に使用可能な防水テープをヒビ割れ部分に貼り付けていきます。注意点としては、外壁が濡れている状態だと防水テープの粘着度が弱くなるため、外壁がしっかり乾いてから施工を行うことが大切です。

1階にある小規模のヒビ割れくらいであれば、プロでなくても応急処置が可能です。コーキングを打ち、その上から外壁と似た色で塗装を行うことで修理できます。

しかし、経年劣化した外壁の色と、上塗りする塗装の色を合わせるのはとても難しいです。自力で行う場合は、専門業者にアドバイスを求めて、確認しながら修理を行うと良いでしょう。

また、外壁のヒビ割れ箇所が多いのであれば、いっそのこと外壁を取り替えるのもオススメです。外壁を一度取り外して内側に再度防水シートを施工し、その上から新しい外壁を張り替える作業です。

2階以上の補修であったり、しっかり綺麗に直したい場合は、専門業者に修理を依頼しましょう。

フードを取り付ける

排気口のフードが設置されてないことが原因による換気扇の雨漏りは、新たにフードを取り付ければ解決できます。フードの取り付けは自力でも可能です。

フードの種類は大まかに分類すると・・・

・ベントキャップ(丸型)
・パイプフード(深型)
・ウェザーカバータイプ

があります。

ベントキャップやパイプフードは、ダクトの直径が短い排気口によく使われる傾向があります。ウェザーカバータイプは、直径が長い排気口やプロペラファンの換気扇によく用いられます。

取り付ける換気扇の排気口にマッチするフードを用意して、それを取り付けていきましょう。フードの取り付け作業では、コーキングなどの技術が必要な工程がありますし、手順がやや複雑なので難しく感じるかもしれません。高所であれば尚更難しく、自力でやるのは厳しいでしょう。

そのような場合は、ご近隣の工務店に取り付け作業を依頼すると良いでしょう。

フードを交換する

フードの劣化によって換気扇が雨漏りしている場合、フードを新しいものに交換することで問題は解決できるでしょう。

交換するなら、アルミ製などの耐久力のあるものを選ぶことをオススメします。これまで使用していた換気扇やフードの基盤をチェックしておき、それと同じものを調達しておくと安心です。

ダクトや排気口の直径は、換気扇の製品によって違いがあるので、サイズの合ったものを選ばないと、上手く取り付けられないことも起こりえますので要注意です。
業者に連絡して純正のフードを用意してもらうのも良いでしょう。

ただ、年式の古い製品の場合、純正部品の在庫がなく、代替え品での交換になることもあります。この場合は、フードのみではなく換気扇本体の交換も検討すると良いですね。台風の多い地域等では換気扇の雨漏りが起こりやすいため、雨や風が入りにくい製品を選んで下さい。

換気扇を丸ごと交換する

古い換気扇の場合は、本体自体の丸ごと交換を視野に入れても良いでしょう。部分的に修理をしても、年数が経つほどにモーターが劣化したり、シャッターが閉りにくくなったり、コーキングやフードが劣化してきたり、別の箇所が故障していく可能性があります。

その都度修理をしていくと、結局は丸ごと交換とあまり変わらない金額になることもあります。どのくらいの使用年数で丸ごと交換を考えたら良いのか?については、使用頻度であったり、立地などの環境によっても異なりますので、一概には言えません。

そろそろ交換を検討した方が良いかな~と少しでも思ったら、一度専門業者に相談してみると良いでしょう。

換気扇の水漏れ(雨漏り)は早め早めに対処しましょう!

換気扇の水漏れ(雨漏り)は、場合によっては被害が大ごとになる危険性があります。

壁内へ浸水することで骨組みが腐食したり、シロアリが発生しやすくなったり、漏電によって火災に及ぶなど、実は思いもよらず被害が深刻になる危険性をはらんでいるのです。

しっかりと原因を見極めて、早め早めに対処することが大切です。対処が早ければ早いほど、雨漏りや漏水による被害が拡大するのを防ぐことができます。

換気扇の雨漏りの対策方法は、自分では取り組めないものも多いです。特に、高所の作業は危険を伴うので、無理をせずに専門業者に作業依頼することをオススメします。
火災保険の利用で修理費用の負担を減らせる可能性もありますよ。

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